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卒業しました

先月、イギリスの大学院の卒業式がありました。

クラスメイトと最後に会ったのは昨年の6月だったので、久しぶりの再会。

同じコースの9人中、式に出席したのは6人。先生方は誰も来られず・・・

海外の大学院となるとそんなものなんでしょうか。

その代わりみんな家族で出席していて、セレモニーの時以外は家族と一緒にパーティーを楽しんだり写真を撮ったりしていました。

私も家族総出で行きましたよ!

 

大学院卒業後は、日本でアート関連の仕事に就いています。

ありがたいことに演劇やダンスも含めたアート全般、そして海外との繋がりも深い職場です。

まだ研修中の身ですが、毎日楽しく勤務しています。

やっと自分が本当にやりたいことを見つけた気がします。

 

これからは仕事と趣味の両方でアートに関わっていくわけですが

このブログでも情報発信していけたらなと思っています。

まだまだロンドンで見た作品で書ききれていないものもあるので!

ぼちぼち更新していきます。

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大学院生活を終えて

気づいたら前の更新からものすごく日にちが過ぎていた!

この数か月、いろいろありました。

 

<8月>

ロンドンのコミュニティカンパニーの公演が無事終了。

千秋楽の翌日にふと見た日本の求人サイトで、アート関連かつ英語を生かせる面白そうな仕事を見つける。応募するため即日本行きのチケットを買う。

 

<9月>

修士論文提出。やはり最後の2日は徹夜するために。

帰国。すぐ気になっていた求人に応募。

その傍ら、とりあえずお金を稼がねば・・・!と、某保険会社にて派遣OLを始める。

 

<10月>

筆記試験。

大学院の成績発表。

派遣OLとしてアートと無関係な生活を送る。

 

<11月>

面接。

翌週、内定連絡をいただく。

そして再度ロンドンへ。

 

帰国してからというものの、正直アートに触れる時間がものすごく短くなっていました。

派遣で今までと全然違う業界に行って、そこで仕事をするのも意外と楽しかったり・・・

でも、派遣先の会社が居心地良くなればなるほど、何のためにイギリスの大学院に行ったのか?と不安になることも多かったです。

なんとか進路が決まってホッとしておりますが、ここからがスタート。

正式採用は来年からなので、それまでもう一度ロンドンで芸術に触れてきます。

 

パッキングしないとーーー!!

 

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許すこと: ジゼル

修士論文の締め切りまであと2ヶ月。

古典バレエを現代風にアレンジしたものをテーマに書こうと決めて、

ケーススタディをアイルランドの振付家による「ジゼル」にしました。

もう10年以上前の作品で、写真と記事しか残っていなかったのですが、

振付家本人の連絡先をネットで探し当て、連絡してみたところ

親切にもDVDとスクリプトを送っていただきました!

 

ダンスだけではなくセリフも沢山あるので

スクリプトは本当に助かります。

 

アレンジされたジゼルについて研究するのに、

19世紀に誕生したロマンティック・バレエのジゼルについても調べました。

今年は誕生何周年という節目の年でもないのに、

実は多くのバレエ団がジゼルを上演しています。

なぜこれほど、ジゼル大豊作なのでしょうか。

 

まずは英国ロイヤルバレエ。

ロンドンでは既に終わっていますが、たしか今は日本公演をやっていますね。

そしてEnglish National Balletは、今年の秋と来年1月にジゼルをします。

今年の秋は9月~11月にかけて、コンテンポラリーの振付家・Akram Khanによるジゼル。

(音楽も振付もかなり違うんじゃないでしょうか)

来年1月は伝統的なジゼルをするそうです。

また、カナダのバレエ団でも先日ジゼルの公演がありました。

 

ネットや宣伝動画を見ると、ジゼルはどのバージョンも共通して

“Tragedy and Forgiveness”

という言葉で表現されています。

日本語にすると、tragedyは「悲劇」、forgivenessは「許すこと」となりますが、

バレエ団のHPなどを見ていると、特にforgivenessの方が強調されているように思います。

 

1幕の最後で恋人に裏切られて死んだジゼルが、2幕でどう彼を許すのかというところですが、

正直イマイチしっくり来ないなぁーと思っていました。

無条件に許すというのが。

1幕ではあんなに長い時間、狂気に陥って暴れてたのに!と。

 

ちなみに修士論文で扱うジゼルは、そこのところの葛藤が振付に表れていました。

2幕でジゼルとアルブレヒトが踊るシーンで、ジゼルが許すか許すまいか、

葛藤してアルブレヒトを拒絶する場面がさりげなく入っています。

で、許したジゼルの魂が救われて

最後は楽しそうに飛び跳ねる…という演出。

 

さて、本題に戻ります。何でジゼルがこんなに多いのか。

たまたまかもしれません。

が、私がもしバレエ団でプログラムの演目を選ぶとしたら、やはりジゼルにしたと思います。

 

だって、この世の中ですよ。

 

イギリス、えらいことになってます。

 

普段穏やかな人たちも、国民投票の結果が出てから

毎日怒りの声を上げ続けていたりします。

 

気持ちはわかる。

「自分の一票が影響すると思わずに、離脱に入れたのを後悔している」と言ってる人たちを

思わず怒りたくなるのはわかる。

 

でも、溝を深めるより許しあう方に行けばいいのにと思います。

完璧な人はいない。完璧な組織はない。完璧な政府はない。

 

ジゼルは死後にアルブレヒトを許しましたが

現実の世界では、死んでからでは遅い。

今こそ、ジゼルから学ぶときなんじゃないか。

 

修士論文を書きながら、そう思います。

 

 

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渡英8ヶ月の近況

気づけばもうすぐ5月も終わり!

しばらく更新さぼっててすみません・・・。

特に今年に入ってからは忙しくなり、毎日が鬼のような速さで過ぎていきます。

7年前にカナダへ8ヶ月留学した時は、何となく長期留学したような気になっていたのですが、

渡英して8ヶ月、まだまだ来たばかりだと思うのは

歳のせいでしょうか。

 

さて、前職は舞台芸術とはほど遠い仕事をしていたので

未経験・知り合いなしの状態でロンドンに来てみて8ヶ月でどうなったのか。

 

とても居心地が良いです。

物価が高い以外は!

 

すぐ会える友人は大阪にいるより確実に多い。

(学生時代の友人は、ほとんど上京したか海外に行ったので・・・)

国際色豊か、そして人それぞれなので

スッピンで出かけようが何をしようが気にならない。

体型は気を付けた方がいいと思っています。笑

 

大学の勉強に関しては、期末エッセイ3本を提出し終わり、あとは修士論文です。

来月修士論文のプレゼンがあるのですが、まだ内容が固まり切らないので先生に相談中。

プレゼンの時に久々にコースメイトに会えるのが楽しみです。

みんな何してるんだろう…たまに図書館でばったり会うと盛り上がりますが、

今学期も飲み会が企画倒れになってしまった個人主義な9人。笑

 

学外での活動。

4月末に、2ヶ月に渡って行われたショーが終わりました。

ショーで踊ったり、衣装を手伝ったり、パフォーマー達のリーダーをしたり。

いろいろやらせていただきました。

マドンナの前で踊ったのがちょっとした自慢です。笑

来場した翌日、ツイッターでbest show in Londonと評していただき、素直に嬉しかったです。

 

そして来週。

ロンドン芸術大学のショーの本番です。

Little Girl Inside Meという、20年に渡る阪神大震災のトラウマとそこからの回復をテーマにした作品。

詳細はこちら→Little Girl Inside Me eventbrite

私は主に裏方で小学生の女の子のムーブメント指導をしております。

万が一の時に代役ができるよう、一応大人のダンサーの振付も練習していますが、

本番は客席から見守りたいものです。笑

 

それが終われば次は8月の公演のリハーサルが6月から始まります。

こちらはOld Vicというロンドンでは大きな劇場のコミュニティーシアターです。

先週、2日間に渡ってシアター・ブートキャンプという怖そうな名前のイベントがあったのですが、

Old Vicのプロデューサーや他のメンバーと、マーケティング戦略についてアイスを食べながら話し合いました。笑

 

他には最近、とある台本の日本語訳を頼まれました。

翻訳は小さい頃から興味があり、カナダでも勉強していたので、これもワクワクしています。

何よりイギリスの作品を日本に持っていくお手伝いができるのが嬉しいです。

 

これだけ面白いプロジェクトに関われたのは、全てロンドンで出会った優しい人たちのおかげです。

本当にラッキーだと思う反面、自分の実力が伴っていないんじゃないかという危機感は常にあります。

舞台芸術に関わることなら何でも手伝うけど、これ!といった強みがない。

ちょうど学生ビザの期限までもあと8ヶ月。

これだけは、というものを見つけたいなと思います。

 

 

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最後の授業

昨年9月に入学した大学院。

なんと、昨日で授業が終わりました。

あとは3本のエッセイ+修士論文のみとなります。

 

しかし早かった。

特に第2タームは、学校の授業に加えて学外での活動が急に増えたので

理論と実践をバランス良く学べたんじゃないかと思います。

今は週に2回ショーで踊ったり、衣装のお手入れを手伝ったり、5月末の作品に向けて振付と構成を考えたり。

観劇の回数は減りましたが、作る側になるのはやはり面白いです。

大学院に出すエッセイのネタにもなりますし。

 

さて、大学院ですが。

最後の授業を担当してくださったのは、私の修士論文のスーパーバイザー。

授業の最後に「今後もオフィスアワーはありますか?」と聞くと

 

「来週からしばらくニューヨークに戻るけど、もしニューヨークに来ることがあれば立ち寄ってくれてもいいわよ」

 

え、先生アメリカに戻るの?

もっと早く言ってほしかった(笑)

 

授業が終わってから慌てて先生のオフィスに立ち寄り、修士論文の方向性について相談。

Ballet Dramaturgyについて書きたいというと、

 

「5月にニューヨークでBallet Dramaturgyのカンファレンスがあるから、ぜひ行っておいで!

私はそのころサンフランシスコにいるから行けないけど、感想聞かせてちょうだいね!」

 

旅費いくらかかると思ってるんだ・・・

 

でも最近知り合う人は、なぜかNYに住んでいた人が多いです。

渡英してから定期的に飲みに行ったり、何でも話せる仲になるのはアメリカ人ばっかり…。

現在私が振付を担当しているパフォーマンスも、NYとものすごく関わりの深い作品です。

大好きなベン・ウィショーもしばらくブロードウェイの舞台に立ってるし、

行きたい気持ちと現実の狭間で揺らいでいます。

 

宝くじ当たらんかな(笑)

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短い大学院生活

 

気づけばあと1回!

 

授業のことです。

 

1月中旬から始まった第2タームの授業も、それぞれあと1回ずつで終了。

 

めちゃくちゃ早かった…。

 

思えば第1タームはみんな勉強でヒイヒイ言ってましたが(これは今もですが笑)

第2タームは少し余裕が出てきて、学内外でのプロジェクトに取り組む人が多かったです。

 

 

私は先日その一つが終わったのですが、

 

油断したのか、多分風邪をひきました(笑)

 

金曜の授業中に咳が止まらなくなり、なんとなく身体が痛いと思ったら、

案の定、夜に熱が出てきました。

そこまで高熱ではなかったので、一日寝て翌日の夜には普通にショーで踊ってましたが

改めて体調管理の大切さを思い知りました。

 

最近は日が長くなって、だいぶ過ごしやすくはなったのですが

1日の気温差が激しい気がします。

 

そんな病み上がりの状態で、今日は授業で簡単なプレゼンをしました。

テーマはdance dramaturgyと、先日見たアンテレサの作品・Golden Hoursの話。

今まで授業のほとんどが哲学の話でしたが、やっとドラマトゥルクの仕事について具体的に論じる段階に来ました。

といってもあと1回しか授業はない(笑)

アリストテレスからドゥルーズまで、果たして演劇・ダンス制作とどう繋がるのかさっぱりわからなかったのが、

ものすごく細い糸でつながっているのが見えてきたような見えないような。

また本を読み返して、実践でやってみて、初めてわかるんだろうなと思います。

 

とはいえ、結局ディレクターや振付家との相性が大事!と先生はおっしゃっていました。

全ての人のドラマトゥルクになれるわけではない。

でもいいパートナーに巡り合えたら最高の作品ができる、と。

 

そんな相手と一緒に仕事をするのは、どんな感じなのでしょう。

考えただけでワクワクします。

 

 

 

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イギリス大学院・成績の謎

バレンタインの週末は、仕事とパブで過ごしました。

時期的に「バレンタインパーティー」という名前がついていたものの、特にバレンタインらしいことはしていません。金曜はアメリカから来たアラサー留学生たちと飲み、土曜は職場のみんなで飲み、11時には帰宅。

クラスメートとは「日曜にアンチ・バレンタインパーティーをしよう」という話が一瞬出たものの、予想通り流れました。9人しかおらず仲の良いコースではありますが、みんなで集まるのは苦手なようです(笑)

スーパーや花屋さんはバレンタイン特設コーナーを設けているものの、日本ほど盛り上がってはいません。ヨーロッパの他の国から来た友人に聞いても「何もしないよ!」とのこと。日本の百貨店のバレンタイン特設コーナーが恋しいです。

 

そんな地味なバレンタインの直前、第1タームの成績が出ました。

 

成績というかエッセイ2本のフィードバックです。

 

結論からいうと、至って普通の成績でした(笑)

 

両方ともB。

 

イギリスの成績評価は非常に厳しく、Bならまだいい方、Aはまず取れないとのこと。一番上のA+のエッセイは出版できるレベルだとか。

私が日本で通っていた大学ではS・A・B・C…という評価方法で、大好きだったアメリカ演劇や文学はだいたいS、悪くてもAでした。(苦手な音声学とか言語学はひどかった…)

なのでBという評価を見たとき、結構ショックでした。

 

ところがクラスメートもみんなBだったそうで、意外と普通やったんか!とちょっと安心。

 

でもイギリスの厳しいところは、成績はエッセイもしくは試験の一発勝負ということ。

普段の授業態度や出欠回数は全く考慮されません。

しかもエッセイは無記名で提出。基本的には先生と他のexaminerの2名、時には外部のexaminerも見るそうです。なのでどれだけ授業に貢献しようが先生と仲良くなろうが、全く関係ありません。

現にクラスで一番発言していたイギリス人の学生は、Cの評価をもらったそうです。

 

さて、Bの内訳ですが…

エッセイはいいところも悪いところも細かくコメントが書かれています。

webを通じての提出・返却なので、エッセイの所々に吹き出しがついていてクリックするとコメントが見られるというもの。

「ここはもう少し論拠が必要」といった中身のことから、「単語のチョイスがおかしい」「theが抜けてる」など文法的なことまで指摘されていました。時間がなさすぎてネイティブチェックを受けずに出した結果、やはり英語のミスがありました。他の留学生組もみんな英語のミスがあったようですが、最終的な評価は中身重視だったようです。

 

いつもながら、もっと早く書き始めたら良かったと思っています。

どこまで資料を読んで、いつ書き始めたらいいのかはすごく迷うところ。リサーチばっかりでギリギリまで書かなかった結果、最後は3日間徹夜・夕食抜きという非常によろしくない生活を強いられました。

 

次は3月上旬に1本と5月に3本あるので、今度こそ健康的に書きたいです…。

 

 

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修士論文とBallet Dramaturgy

修士論文のスーパーバイザーが発表されました。
うちのコースはは生徒9人に対し先生が4人。数としてはかなり恵まれていると思います。
ということで無事、希望の先生につくことができました。

研究内容が演劇・パフォーマンスアート・ダンスを軸にしながら哲学・ジェンダー・人類学など幅広いので、正直何をテーマにすればいいのか迷いました。

半年間向き合っても飽きないテーマ。(←これ重要!)
PhDに進む予定はないので、多分何を書いても就職には関係ない。
とことん好きなことに向き合おう!と考えた結果…

Ballet Dramaturgyにたどり着きました。
厳密に言うとReworking of Balletということで、古典作品のアレンジをテーマにします。
たまたま先生が元ダンサーでバレエにも非常に詳しく、今は大学の研究とdramaturgをしているとのこと。
「スーパーバイザー頼むならこの先生しかいない!」と思っていました。
オフィスアワーに足繁く通った甲斐があった(笑)

ちょっとマニアックな話になります。バレエに興味のある方はお付き合いください。

修士論文の前提にしているのが、

「振付家や演出家が作品をどう解釈するか(物語のどの部分を強調するか、どの振付家の影響を受けたかなど)は、その人の育った国や受けてきたトレーニング、社会的背景に影響されているはず!」

ということ。

私がバレエを頑張っていた頃はテクニックに必死で、正直考えたこともありませんでした。
特に発表会やコンクールでバリエーションを1曲だけ踊るとき。
なぜこの動きをするのか、周りには誰がいてどんなセットがあって、どのような哲学・思想が含まれているのかなんて、特に気にせず踊っていました。

個人的には、そこまで想像できる人の踊りが観たいなぁと思っています。
振付家や作曲家は時代の中でさまざまな苦労をしながら作品を作り、今に伝わっているわけです。たとえ目に見える動きに現れなくても、そこまで思いを馳せることのできるダンサーがいたら素晴らしいですよね。

ただ現実問題、舞台やレッスンで忙しい中で広範囲にわたるリサーチはなかなか大変。そこでアカデミック担当、ドラマトゥルクの出番!
わかりやすく資料にまとめて、役作り・作品作りのお手伝いをしますよ、ということです。
今はdramaturgyの授業で、アリストテレスやらニーチェなど、哲学を徹底的に学んでいます。いつバレエにたどり着くのでしょうか…。

今週はベンヤミン。事前課題の中にThe Arcade Projectという1000ページを超える本が含まれており、途方に暮れていました。

すると先生から”Note on Reading Arcade Project”というword文書が!もしかして予習範囲が減ったり?

ファイルを開けるとそこには、

 

“Enjoy.”

 

と書かれていました。

 

この先生が、私のスーパーバイザーです。

 

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ギリシャ悲劇モチーフの作品を5作品読み比べた

「この世にオリジナルは存在しない」

 

第2タームから始まったDramaturgyの授業の1発目で出てきた言葉です。

ギリシャ悲劇もシェイクスピアも、それぞれの元になった話があります。

「自分で作ったからオリジナル!」と言っても、何かしら拠り所になる文化だったり何かに影響されているはずで、全くゼロから生まれた話はありません。

 

では1つの話が違う劇作家の手にかかるとどんな感じになるのか?と、同じ題材を用いた5人の作品を初回の授業までに読んでくるように言われました。以下、「作者」「タイトル」「上演年度・国」です。

 

・Euripides, “Hippolytus”紀元前428年、ギリシャ。

・Seneca, “Phaedra”54年、ローマ。

・Jean Racine, “Phedre”…1677年、フランス。

・Sarah Kane, “Phaedra’s Love”1996年、イギリス。

・Charles L. Mee, “True Love”2001年、アメリカ。

 

テーセウスの妻パイドラーが義理の息子・ヒッポリュトスに恋をする→乳母がヒッポリュトスに、パイドラーの恋心をばらす→息子に拒絶されたパイドラーが息子を陥れる内容の遺書を残して自殺→それを見たテーセウスが激怒し、息子を殺す

 

という流れはだいたい同じです。

 

元はギリシャ神話から来ています。本当に誰が作ったのか、今となってはわかりません。

エウリピデスの作品は、神様が登場します。義理の息子に恋をしたのも、悲劇的な結末を迎えるのも、全てギリシャ神話の神々のいざこざが原因です。

セネカ以降はパイドラーが中心となり、神様は出てきません。だんだん彼女が自らの恋心、罪の意識に苦悩する様子に焦点が当てられるようになります。

サラ・ケインは28歳という若さで自殺したイギリス人劇作家。”Blasted”など、かなり暴力的・性的に過激な作品で知られています。”Phaedra’s Love”も「あぁサラ・ケインだ…」という感じでしたが、一番スラスラと読めました(笑)潔癖だったはずのヒッポリュトスが、サラ・ケイン版では現代の遊び人になり、パイドラーも罪の意識はどこへやら、開き直って肉体関係を迫ります。

“True Love”も舞台は現代へ。これも会話のテンポが良くて読みやすかったです。ジャン・ラシーヌ版はセリフが長かったせいか、あまり覚えていません(笑)

 

5作品それぞれ登場人物の捉え方、義理の息子への恋心の捉え方がこんなにも違うのかと驚きました。形は時代ごとに変わるものの、2000年以上劇の題材として伝わっているのは面白いですね。

 

ちなみに初回の授業では、上記5冊に加えてアリストテレスの「詩学」も事前課題の1つでした。私はせっせと読んでいきましたが、ギリシャ人のクラスメート2人は「今さら読まないよ」と。

なんで?と聞いてみると、「だって子供の頃から何回も読まされたもん」「もうアリストテレスは身体にしみついてるよねー」とのことです…。

 

さすがです。

 

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オフィスアワー

おととい5日ぶりにお湯と暖房が戻ってきた!と喜んでいたら、

 

 

昨日また故障・・・

 

 

身体が慣れたのか、冬に水シャワーを浴びても風邪をひかなくなりました(笑)

 

 

それはさておき。

大学院は授業時間よりも予習のリーディングの時間の方が多いので、下手すると誰とも喋らずに一日を過ごすことになります。

クラスメートとは毎日なんだかんだオンライン上でやりとりをしていますが、やはり生の会話がしたい。英会話!

 

そんな時によく、大学院の先生に会いに行っています。

どの先生もオフィスアワーといって、週に1・2回自由に会いに行ける時間が設けられています。

 

私はロンドンに来る前、高校生の進路相談に乗る仕事をしていました。

大学時代の塾講師のアルバイトから合わせると、かれこれ8年ほど教育業界にいました。

そこで感じたことが2つ。

 

・生徒に頼られて嫌な思いをする先生・職員はいない。

・生徒に何か聞かれたら、自分の知っている限りの情報を与えたくなる。

 

 

これは世界共通だと信じています。

「先生のところに行くのは気が引けるな…」という若いクラスメートをよそに、怪しい英語で図々しく乗り込んでいけるようになったのは前職のおかげです。

 

今日も先生のところに行って、先日の劇場の窓の話をしました。

そして話の流れで、窓での経験を大学の公式ブログで記事を書かせていただくことに。

 

ロンドンのど真ん中という土地柄、先生が個人的に劇場関係者と繋がっていたりするので、生かさない手はありません。

「また何かあったら教えてくださいね!」と念を押し、部屋を後にしました。

 

来週は観劇の予定が詰まっているので、週末に大学のブログ執筆がんばります。

今度の月曜日はついにレイフ・ファインズ主演の舞台!

007シリーズの新M、ハリー・ポッターシリーズのヴォルデモートの人です♪

楽しみ!!