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Think Through Theatre

昨日はロンドンのCentral Saint Martinsという芸術大学に、プロジェクトの打ち合わせに行きました。

初めて行ったのですが、建物も人もお洒落!!

うちの大学と全然違う!!笑

 

よく日本の雑誌に載ってるような「ロンドンのストリートファッション特集」みたいな雰囲気でした。

ロンドン生活に慣れてくるとだんだん化粧もしなくなるし、ヒールもここ半年全く履いていませんが

(日本で大学生・社会人している時はすっぴん・ヒール無しで外出なんて考えられなかった!)

もう少しお洒落を楽しもうと思いました。

 

打ち合わせは5月末のショーに向けてのもの。

私はドラマトゥルク、そして振付も担当する予定です。

楽しみ!!

 

打ち合わせのあとは、6月からリハーサルが始まるOld Vicのコミュニティーシアターにて

Drop-in Sessionがありました。

一般の人たち向けの無料のワークショップで、テーマは演劇関連のものからそうでないものまで。

昨日は”イギリスはEUに残留すべきか否か”というテーマでした。

6月に控える国民投票を前に、シアターを通じて考えようというもの。

私はEU市民ではありませんが、面白そうなので行ってみました。

(行ってみるとカナダや南米など、EU圏外出身の人も結構いました)

 

一応シアターということで、演劇学校なんかで行われるようなちょっとしたゲームに始まり、

EUの歴史をチームに分かれてサイレント・ムービーとして演じるというものもありました。

また、用意されたいくつかのテーマについてディスカッションする段階では

人やモノの自由な移動や経済活動について、議論が白熱。

EU圏のどこでも教育が受けられるというのは、日本人にとっては羨ましいです。

だって、EU圏出身とそうでない人では、支払う学費が倍くらい違うので。

まぁ、それがあるから私はどの授業も休まず行ってるのですが…笑

 

あっという間の2時間。私に投票権はなくても、十分楽しめました。

帰りは最寄駅までイギリス人の女優さんと一緒に帰ったのですが、

ヨーロッパを自由に行き来ができるのは俳優活動をするうえで非常にありがたい、と言っていました。

さて、6月の国民投票の結果はどうなるのでしょうか。

 

 

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ロンドンの演劇プロデューサーからアドバイス

先日、大学の演劇サークル主催・ロンドンの演劇プロデューサーによるトークイベントに行ってきました。

テーマは「エディンバラ・フェスティバル・フリンジ」。毎年8月にスコットランド・エディンバラで行われる演劇やパフォーマンスの祭典です。そこで自分の劇を上演したい!という大学生に向けて、毎年ロンドンから沢山の劇を送り出しているプロデューサーがアドバイスをするというもの。

私は特に自分の作品を持っていませんが、面白そうなので参加してみました。

 

最初にプロデューサーの自己紹介があり、その後はQ&A形式。会場や予算のことなど、非常に具体的な内容を聞くことができました。

せっかくなのでシェアします。

 

商業演劇・学生演劇ともに一番苦労するのがお金。

なかなかチケットだけでは賄えないのが現状です。

特にロンドンは土地代も物価も高いし。

 

そのプロデューサーの方は、オフィスも車もライバルとシェアすることでお金を浮かせているとのこと。

 

クラウドファンディングでは微々たるお金しか集まらないので、支援してくれそうな人をgoogle検索して片っ端からメールをしているのだとか。

 

広告は大手メディアを狙わず、ソーシャルメディアを使うこと。新聞で星2つとかでも、口コミでの評判が上々というのはよくあります。

 

パブに行くときは必ず自分の作品のフライヤーを持っていくこと。どこに支援者がいるかわからないから。

 

なぜ自分の作品は価値があるのか、なぜ一番だと思うのか、きちんと説明できるようにしておくこと。なんでコメディ?なんでギリシャ悲劇?(そういえばWhy now? Who cares?と大学院の授業でも演劇の意義をすごく問い詰められた…)

 

フライヤーやソーシャルメディアで使う写真にはこだわること。特にエディンバラ・フリンジは世界中からアート作品のようなフライヤーが集まるので、絶対にいい写真を!と念押ししていました。間違っても仲間内だけで「いぇ~い♪」なんて盛り上がっているような写真は使うなと。

 

ターゲット層・ライバルを知ること。マーケティングは非常に重要。

 

資金集めは舞台芸術に関わる者の宿命だと言っていましたが、その通りですね。

 

最後にロンドンで私が見た、有名人による資金集めのエピソードをご紹介。

 

1人は振付家、マシュー・ボーン。昨年亡くなったダンサーの追悼イベントだったのですが、「今夜のチケットで〇〇ポンド集まった。でももうちょっと集めたい」と言って、その場で寄付を募っていました。普通は公演中にスマートフォンの使用は禁止するものですが、「今すぐ携帯をカバンから取り出して、ここに空メールを送ってほしい」と呼びかけました。集まったお金は、亡くなったダンサーの小さな息子さんたちに届けられるそうです。

 

もう1人は俳優、ベネディクト・カンバーバッチ。ハムレットの公演終了後、「少し話を聞いてほしい」と舞台上で難民支援のための募金を呼びかけました。その時は会場スタッフが持つバケツにお金を入れるというものだったのですが、ほとんどの人が寄付をしていたように思います。

おそらく彼の収入ではそんなことをしなくてもポンっと出せるお金はあるのでしょうが、たくさんの人を巻き込むということに意義があったのでしょう。

 

今回の約1時間のイベント、作品の中身についてのアドバイスは全くありませんでした。

「資金を集めていかに上演までこぎつけるか」「どうやって人に知ってもらうか」という話は授業では聞けないので、とても参考になりました。

厳しい世界ですが、それでも良い作品を世の中に出していきたいものです。

 

 

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DreamThinkSpeakワークショップ

うちの大学には演劇サークル的なものがいくつかあるのですが、その中でおそらく最大勢力と思われるKing’s Playerが毎週ワークショップを開いています。

というのを最近友人に聞いて初めて知り、2人でワークショップに参加してきました。

 

ワークショップが行われたのは見た目はオンボロ、中はちゃんとしたステージやバーを併設したstudent unionの建物。

テムズ川に臨み、タワーブリッジ・シャード・ナショナルシアター・ロンドンアイなどが一望できます。学費が高いのも納得(笑)

 

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ゲストスピーカーとして来てくれたのはDreamThinkSpeakという劇団の芸術監督、トリスタン・シャープス氏(Tristan Sharps)。

サイトスペシフィック・パフォーマンスという劇場以外のさまざまな場所を活用することで知られ(彼はsite responsiveと言っていますが)、金沢と高知でも2013年に公演をされています。

 

私は彼の作品を観たことはありませんが、ウェブサイトで見た感じとても素敵です。

DreamThinkSpeak Productions

 

なんといってもトリスタン・シャープス氏が素敵!

終わってから話しかけるととても気さくに応えてくれ、別れ際も「今日は来てくれてありがとう!」と彼の方から私と友人に握手を求めて来られました。

 

「サイトスペシフィック・パフォーマンス」(site-specific performance)というジャンルは、授業で何度か出てきました。

演劇・ダンス・アートを劇場や美術館とは違う場所(屋外・工場・教会など)で行うとき、どうスペースを使うのかが重要になってきます。

その場所にフィットするように演出するのか、もしくは「こんな使い方!?」と意外性を狙うのか。

 

トリスタン・シャープス氏のスペースに対する感覚は、子供の頃に鍛えられたそうです。

「昔はとても狭いアパートに住んでたから、広いスペースをよく想像したんだよ。こんな風に使いたい、あんな風に使ってみたいと」

 

その後パリにあるフィジカルシアターの名門、ジャック・ルコック演劇学校で学び、演劇の世界へ。でも本当はアートに興味があったとか。

 

「子供の頃、学校の先生に『絵の才能はない』と言われた。でも信じなかった。あれは先生が悪かった」

 

淡々と話すシャープス氏は、自分の能力に責任を持っているように見えました。才能は先生が決めるものではない、上手くなりたいから練習するのだと。そして現在は演劇とアートを組み合わせた作品を作っています。

 

他にも過去の作品の制作過程やお客さんの反応など、2時間にわたって話していただきました。

ほとんどが空間の話。

「窓を開けたら電車が走ってて、廊下の向こうに庭があって…素晴らしいスペースだった」

「金沢にはマンガがいっぱい置いてある場所があって、とても面白かったよ!」

兼六園や21世紀美術館ではなく、マンガ喫茶に興味をそそられたようです。

 

そういえば先日、他のアーティストも「スペース」をテーマにしたパフォーマンスをしていました。

 

「私たちは皆コンクリートの上に住んでいる」

 

そう言うと砂の中に両足を入れ、その上からワインを注いで地面を固めていました。

 

空間に対するいろんな捉え方・表現の仕方があるものだなぁと思いました。