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ダンスでシェイクスピア:Golden Hours(As You Like It)


大学院で同じコースの友人から、

 

「Dance Dramaturgyに興味があるなら絶対知っておくべき!」

 

と言われた振付家・Anne Teresa De Keersmaeker(アンヌ・テレサ・ドゥ・ケースマイケル)の作品を観に行きました。

 

友人は以前ベルギーでの公演を観たそうですが、本作はUK初上陸だそうです。

 

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公演前に振付家De Keersmaekerと彼女のドラマトゥルクBojana Cvejic、パフォーマンス研究者のAdrian Heathfieldによるトークイベントがありました。

 

大学院でAdrian Heathfieldの文章は何度か読んでいたのと、授業で行われるプレゼンで私が担当する回のリーディングリストにBojana Cvejicのエッセイが含まれていたので、研究目的で参加しました。

 

振付家・ドラマトゥルク・研究者の3人が並ぶと、それぞれの役割がよくわかります。

研究者が振付家に質問をし、振付家による少し抽象的な表現や解釈が難しい部分を、ドラマトゥルクがわかりやすい言葉で補う。

作品を作る時は2人で質問を投げかけながら、形にしていくそうです。

 

また、教育もドラマトゥルクが行う大切な仕事の1つ。

ダンサーにはただ身体の動きを真似するのではなく、一つ一つの動きが持つ意味を理解してほしい。

そこから2人のコラボレーションが始まったそうです。

 

約1時間のトークイベントの後、隣のSadlers Wells劇場に移動。

演目はシェイクスピアの「お気に召すまま」を題材にした作品です。

 

友人から

 

「衝撃的だから覚悟して行ってね」

 

と言われていましたが、

 

たしかに斬新。

 

以下、ネタバレです。

 

 

まずセットがない。

音楽もほとんどない。

衣装はパーカーやシャツなどの普段着。

スクリーンに字幕として出てくる、原作からの抜粋は断片的。

 

その代わり、身体の動きでストーリーを伝えていました。

 

ダンサーは言葉を発することはありませんが、セリフを覚えていたのではないでしょうか。

ほとんどが完全に無音の中で進むので、そうでないと振付を覚えたり動きのタイミングを掴むのは難しいと思います。

 

音楽がないダンスを、大きな劇場の舞台で行うとどうなるか。

私は身体の動きを、いつも以上に集中して観ました。なんとか意味を掴もうとして。

一方で音楽による「一体感」がないので、人によっては退屈だったと思います。

 

例えばクラシックバレエだと、音楽は非常に重要な要素。

チャイコフスキーは何度聞いても飽きませんし、聞くだけでストーリー・情景が浮かんできます。

De Keersmaekerはトークイベントで、音楽をどう捉えるか?という質問に「時間を示すもの」と答えていました。

たしかに音楽によって踊りの長さが決められます。

その点「無音」だと、時間による制約から自由になれるのかもしれないと、作品を観ながらふと思いました。

 

作品自体も面白いですが、創作過程が知りたくなる作品でした。

彼女の本、買おうかな…

 

 


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