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ただ生き続ける:Uncle Venya


現在関わっている2つのショーの本番が近づいてきました。

同じ日に両方のリハーサルがあったりして、ロンドンの街中を行ったり来たり。

おかげさまで忙しくしております。

 

とはいえゆっくり演劇も観たい!ということで。

 

約3時間ある、チェーホフの作品を観てきました。

 

劇場は私が渡英して最初に行った、Almeida Theatre(アルメイダ)。

ベン・ウィショーがBakkhaiというギリシャ悲劇で主演していたからです。

昨年はAlmeida Greekということで古代ギリシャの作品をずっと上演していましたが、年末からイプセン・チェーホフと近代に移りました。

そういえばロンドンに来てから、アルメイダの作品は全てチェックしています。ここの作品はタイトルだけ見ると難しそうな気がしますが、とてもわかりやすく面白く作られています。

 

Uncle Venyaの邦題は「ワーニャ伯父さん」。

アルメイダ版ではタイトルはそのまま、作中では主人公が”Uncle John”とイギリス風の名前に変わっていました。

 

私は日本語でも英語でも原作を読んだことがありませんが、これは舞台で観るから面白いんだと思います。

登場人物がたくさん出てくるので、本で読んで理解できる気がしません(笑)

 

あらすじは簡単に言うと、田舎に住む人たちが都会から来た教授夫妻に振り回される話。

銃が出てきても誰も死なないし、プチ失恋はあっても泥沼の恋はなし。そこの住人でなければさほど大事件ではない出来事の連続なのですが、キャラクターの内面の描写が細やかです。

 

主人公ジョンが自分の人生に絶望したとき、教授の娘・ソーニャが”We just keep living.” と諭します。一時は自殺しようとしたジョンですが、ラストシーンでは日々の仕事に戻ります。

 

この「ただ生き続ける」ということ。当たり前すぎてそこに価値を見出すのはなかなか難しい。

 

留学中の「何かしないといけない」というプレッシャーは、多くの人が持っているのではないでしょうか。

私も学生ビザが1年4ヶ月しかなく、ビザの2年延長を目論んでひそかに応募していたイギリスYMSビザ(ワーホリみたいなもの)の抽選にもあっさり外れ、今のうちに意味のあることをしないといけないんじゃないかと焦りまくりました。

日々淡々と生きる、特に何もせずに過ごすというのが苦手です。飽き性なのもあるかもしれませんが、1つのことだけに集中するのも苦手。仕事・学業・習い事と3種類くらいあって初めて、エネルギーが上手く循環しているような気がします。

 

ジョンが今までもそしてこれからも田舎で農場経営の仕事をし続けるという選択をした時。私だったらその生き方は選ばないけれど、こういう生き方も素敵だなと思いました。劇中で何かを成し遂げたわけでもなく、これからも多分そのまんま。でも生き続けること自体に価値がある、むしろ価値の有る無しは別にして、とにかく生き続けること・・・

 

「何かをしないといけない」プレッシャーを感じている人、お疲れ気味の人に見てもらいたい作品です。

 

 


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