IMG_3186

ロンドンの劇場の窓に住んだ話


ある日、大学院の先生からこんなメールが来ました。

 

「1日だけCamden People’s Theatreの窓の住人にならないか」

 

Camden People’s Theatreといえば、Euston(ハリーポッターで有名なKing’s Cross駅から北に一駅)という、なかなか人通りの多いところにある劇場です。

この劇場が”Whose London is it anyway?”という、ロンドンの住宅問題をテーマにした演劇やパフォーマンスのイベントを半月にわたり実施しています。

 

ここ数年ロンドンの地価が格段に上がり、なんと給料の7~8割を家賃に持っていかれているという統計もあるくらい。

私はロンドン中心部にある大学の寮(3人でバスルーム・キッチンシェア)に住んでいますが、毎月16万円近く払っています。6年ほど前にカナダ・トロントにいた時は、たしか同じ条件で毎月4万円くらいだったような…。

家賃高騰の理由は、人が集まりすぎているから。ほとんどが外国人だそうです。

大学寮は留学生の方が多い気がします。地方出身のイギリス人学生がなかなかロンドンに住めないと、ニュースでやっているのを何度も目にしました。

まさに、「ロンドンって誰の街?」というわけです。

 

さて、大通りに面した劇場の窓で9時間過ごしました。
ヒーターもwifiも完備という、なかなか恵まれた環境。
ここ5日間お湯も暖房も止まっている家に住んでいる私としては、暖かさが嬉しかったです。

 

最初はなんとなく恥ずかしくて、読書やパソコン、来てくれた友人と話して過ごしました。
なるべく通行人と目を合わさないように・・・
でも段々調子に乗ってきて、こちらから通行人に何かしたい!と思うように。
真正面から道路に向き合い、写真OKの旨とTwitter・インスタグラム用のハッシュタグを書いた紙を見せながら、通行人全員とアイコンタクトを試みました。

 

気づいてくれた人はほとんど笑顔を返してくれたのが嬉しかったです。
雨の中写メを撮ってくれた人もいましたし。
びっくりする人、逆にこっちを驚かしにかかる人、手を振ってくる人、投げキスしてくる人、一旦どこかに行ってまた戻ってくる人・・・

 

反応が良かったのは、ひとえに「窓ガラス」のおかげ。
もし私が窓の外に座っていたら、ほとんどの人が目を合わせてくれなかったと思います。
たとえ行動が丸見えであっても、声が聞こえる状態であっても、窓ガラス1枚あるだけでホームレスから窓の住人(=パフォーマー)になり、見る側・見られる側も安心できるんですね。
窓ガラスのおかげでパフォーマーからお金をせびられることもないし(笑)

 

渡英して約4ヶ月、はじめてロンドンを文字通り「じっくり」見ました。

「見る」「見られる」ということに敏感になったのか、帰り道に最寄駅で初めて、おびただしい数の監視カメラが設置されていることに気づきました。

私たちの行動はこんなに見られていたのかと。

 

本当に誰のロンドンなんでしょうね。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です